幼い子との毎日で、ママの「困った!」にならないように備えること、例えば、子どもがこぼしてもいいように新聞紙やトレイをさっと敷く、空腹で不機嫌になる前に早めの昼食など、ほんの少し先を考えて手を打つことは、暮らしをスムーズに回すコツだけど…

 

何度も繰り返してボトルから注ぎたい次女2歳。どうぞどうぞ気の済むまでとトレイを敷く。

 

そのまま「先手必勝モード全開」で暮らしていくと、子どもから「うっかり○○の機会を奪ってしまう」ということが起こりがち。

 

□あら、今日は少し肌寒いな、と(母が)感じ、すかさず「長袖を着なさいよ」「上着を着なさいよ」と言う。
□雨が降りそうだと天気予報で(母が)知り、「傘を持ったの?」と出がけに聞く。
□(頼まれていないのに)朝、起こす。
□ああしたら、こうしたらと何かと指図する。
□どうしよう?と子どもが考える場面、あなたはどう思う?と言うより先にこうしたら?と言う。

 

何でもよく気がついて、察しがいい。でも、子ども自身が感じて気づいたり、どうするか考えたり、失敗して学ぶ機会が減る、という側面があります。
「今日は少し肌寒いね」「雨が降りそうだなあ」と感じたことだけで、あとは子どもにバトンタッチ。

 

水たまりの水を調査中!?の長女1歳。お尻がついているけれど、母は目をつぶって「今」を優先。

 

この「先回りの危うさ」、なかなか気がつきづらい。
なぜなら「子どものためによかれ」と思っているから。
親はいつも善意で動いているのだけれど、それが必ずしも子どもに必要なこととは限らない。
(親を祖父母と読み替えたら、さらに「あるある」かも)

 

わたしもつい言ってしまうんです。
で、10歳を越えた子どもたちにこう言われる。

 

「わかってる!」(うるさそうに!)

 

そしてハっと気づく。

 

あ!しまった!いま妖怪ヨカレだった!

 

自分を戒め、苦笑い。先手必勝モードは、自分のことだけにしなきゃね。
でも、幼いとそんな反抗もしてくれないから、やっぱり気がつきにくい。

 

子どもの成長に合わせて、生活の中にある「気づきの芽」を摘まずに育てていけますように。

 

 

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このコラムを書いたママ


一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト 吉田尚子

「かぞくで家のコト」をテーマに暮らしのワークショップ(子育て、家事、時間、片づけ)や個人セラピーを行う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。

「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/