子どもにとって「おもしろい」というのは、「手応え(てごたえ)」ということだと、前回お話ししました。
幼いほど、“自分の手の感覚”、“「できる」という感じ”を味わっているような様子を見たことがありませんか?
次女1歳3か月。差し込むことにハマる頃、お菓子の箱に細く穴をあけ、カードを差し込むおもちゃを作ったら夢中に。全身で手に集中!という感じ。
赤ちゃん時代から手や体の感触を使って経験しながら、手や体の動きそのものを身につけていきます。幼児になったらさらにいろんなことができますね。
物を出したり入れたり、何度もくり返したり、ひっぱったり。
おもちゃも増えていくことでしょう。
でも、出しっぱなし、散らかしっぱなしにはため息がでますね。
できれば、「ここに戻そうね」と習慣づけたいものです。
さきほどの写真のカード遊び、実は箱から出したカードをすべて箱の中に収納していくお片づけでもあります。全部戻ってすっきり、あー気持ちいいね!というわけです。
お部屋の中では、「ここに戻そうね」のために、おとなは「ここ」という場所を決め、入れ物を用意するなど環境をととのえること。子どもの手で楽に戻せることがポイントです。
棚やかごを使って自分で戻す工夫は、幼稚園にもヒントが。次女4歳のひとコマ。
楽しく誘ったり、うれしそうにやってみせたり(ここは一時女優になることもダイジかも)、戻せたらいっしょに喜んだりすることで、子どもの「もっとできるようになりたい」気持ちが応援されていきます。
1歳前後の「どんどん入れたい」にハマる時期から、お片づけはおもしろくできます。大きくなったら、それまでやっていたことを「イヤ!」というかもしれません。「どっちが早く入れられるかな?」と競争をしかけ、「負けないぞー!」とか言いながら盛り上げたのもわが家の懐かしい思い出。
ママとのコミュニケーションも満たされていきますよ。
何かの遊びをしなくても、片づけそのものを遊べばいい、そう考えてみませんか。
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このコラムを書いたママ
一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト 吉田尚子
モットーは「五感にひびく、今ここにある日常を味わう」こと。「かぞくで家のコト」をキャッチフレーズに、暮らしを見わたす視点で、子どもとお手伝い、家事、時間、片づけなどの講演、講座、個人の相談に寄り添う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。
「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/