『きえた犬のえ』マージョリー・W・シャーマット文/マーク・シマント絵/光吉夏弥 訳/大日本図書
『ふらいぱんじいさん』神沢利子 作/堀内誠一 絵/あかね書房

 

立春を迎え、暦はいよいよ春。そして、もうそろそろ気になるのが進級や入学準備のこと。

 

絵本を読み聞かせてきたけれど、そろそろ一人で読んで欲しいなぁと思われているご家庭もあるのではないでしょうか?

 

そこで、今回のテーマは『絵本から幼年童話へ』です。

 

絵本をたくさん読んでもらっていたから、自然と一人読みしますとは、実は言い切れないのが「一人で読む」という力です。なぜなら、絵本で子どもたちが絵本の読み聞かせの時に見ているのは絵なので、その中で字に興味を持った子は読むかもしれませんが、そうはいかないという場合も。

 

「一人で読んで文章を理解する」という力は実はそんな簡単につくものではなく、自転車を乗るまでの練習のように補助輪付きから一つずつたまをはずすように練習し、道にでて危険や交通ルールを学ぶまでくらいの補助が必要なものなのだと思います。

 

だから、お子さんが一人で読むようになっても、たまに声に出して読んでもらってみてください。

 

すると、ひらがなという文字を読んでいるのか、言葉の意味をとって読んでいるのかもよくわかりますし、途中で文を読み飛ばしたりしていないかもよくわかります。

 

そんなときおすすめなのが、文を指で追いながら、つぶやき読みをする練習や1文ごとに親子で交代して読んでみる方法です。

 

これも強制的になってしまっては、子どもが本を嫌いになってしますので、子どもが好きだなと思う本を一緒に読むくらいの感覚で余裕をもって取り組まれるといいと思います。

 

そして、なによりも「一人で読めるようになる」というのは簡単ではないということ、文章のレベルが上がるたびに何度も訪れる問題なのだということを親がちゃんと理解した上で、気長にご家庭で音読をしあうことが大切です。「一人で読めるでしょ。」と言う前に、ぜひ親子で楽しめる幼年童話や声に出す絵本などで音読の世界を楽しんでくださいね。

 

上段『声にだす ことばえほん 寿限無』斉藤孝 文/工藤ノリコ 絵/ほるぷ出版
『みどりいろのたね』 たかどの ほうこ作/太田 大八 絵/福音館書店
『あおい目のこねこ』 エゴン・マチ―セン作/瀬田貞二 訳/福音館書店
『はじめてのキャンプ』 林明子 作/絵/福音館書店
下段『しょうがくせいのおばけずかん』斉藤洋 作/宮本えつよし 絵/講談社
『おばけのアッチとどきどきドッチ』角野 栄子 作/佐々木洋子 絵/ポプラ社
『まほうのじどうはんばいき』やまだ ともこ 作/いとう みき 絵/金の星社
『ひみつのきもちぎんこう~かぞくつうちょう できました~』 ふじもと みさと作/田中六大 絵/金の星社

 

—————————

Kako

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。1 児のママ。
Instagram→ @kakobook
Blog→http://ameblo.jp/honnotane100-ehon