『ふしぎなえ』安野光雅 福音館書店
コラムを書かせていただいて3年。「石の上にも3年」ということわざではないですが、絵本や読書についてぐるりと一周し、今年は、もう一度原点から勉強し直したいと思うようになりました。
そして、年末年始の休みに読んだ『子どもを読書好きにするために 親ができること』という本。その本の2章「子どもを読書好きにするために親ができること」に大切なのはお話を読んでもらった時に子どもたちが「楽しさ」や「うれしさ」を感じることだとありました。
『子どもを読書好きにするために親ができること』白坂 洋一 小学館
絵本や本を子どもたちが好きになるためには、やはり大人も本を楽しんで、その世界を伝えていくことが大切。そう思い、今年のコラムは、本棚にずっと置いておきたいと思う名作絵本の楽しさをていねいに紡ぎ、贈り物のように届けられたらと思います。
⚘絵本棚からのおくりもの⚘
『ふしぎなえ』 安野光雅 福音館書店
昨年、12月に大好きな絵本作家の安野光雅さんがお亡くなりになりました。
私の安野さんとの出会いは家にあった世界の名作『空飛ぶかばん』の挿絵。丁寧に描かれた線と異国を感じさせる色彩に心が奪われたことを思い出します。現在の我が家の絵本棚に安野さんの絵本は数多くあるのですが、その中でもずっとそばに置いておきたいと思うのは、『ふしぎなえ』という絵本です。
福音館書店の編集長でもある松居直さんの娘さん(現在の小風さちさん)の美術の先生でもあった安野さんが松居さんとともにはじめて手掛けたられた文字のない絵本。
上がったはずの階段が下り階段?・・・迷路が途中でさかさになっている?と、どのページを開いても不思議なところばかり。最後まで読み終えたら、一度本を開いて表紙と裏表紙のつながり方も見てみてください。ここにもしかけがあります。
2年前に出版された『かんがえるこども』というエッセイ本の中で、
「子ども大人も自分で考えるというくせをつけてほしいです」
「本を読むということは自分の考え方を育てることです。」
と語っておられた安野さん。そのメッセージの大切さを感じさせられる一冊です。
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Kakoさん
前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。1 児のママ。
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