いつもより遠くへ行ける、
春の日の歩き方

 

環境が変わることの多い春、将来に不安や焦りを感じたら、一度「今」を味わってみてはいかがでしょうか。

 

『たねがとぶ』の主人公は、道端でよく見かける春の植物。見逃しがちな「雑草」が、花を咲かせ、実を付けて、種を飛ばすまでをじっくり見ることができます。

 

写実的で美しい絵が印象的ですが、文章もやわらかで、親子で読むのにぴったりです。「草の子ども」である種が、高く遠く飛ぶその旅に、大人はふと目頭が熱くなってしまうかもしれません。

 

本日の絵本たち

 

作/甲斐 信枝 監修/森田 竜義 発行/福音館書店

 

子どもを自然へと誘ってくれる科学絵本。ともに描かれる虫や、植物が種を飛ばすときの音も魅力的で、お散歩が何倍にも楽しくなります。

 

 

『とべバッタ』

 

作/田島征三 発行/偕成社

 

命を狙われながら生きることが嫌になったバッタは、小さな茂みを飛び出した!
どこまでも飛ぶ力強いバッタの姿は、一歩踏み出す勇気をくれます。

 

 

『きょうがはじまる』

 

作/ジュリー・モースタッド 訳/石津ちひろ 発行/BL出版

 

服や朝食など「どれにする?」と話しながら読みたい絵本。おしゃれでユーモアがあるお話で、選ぶのが楽しい。どんな今日も特別だと思い出させてくれます。

 

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高橋 真生さん
絵本専門士、All About絵本ガイド。絵本紹介サイト「にこっと絵本」運営中。