晩ごはんの準備で鍛えられたのは、子どもたちが0歳と5歳の頃。

わたしは追われてばかりで、「あ!もうこんな時間だ!」「バタバタしてます」というのが当たり前になっていて。

 

そのくせ、子どもと一緒にいても「早く帰って、ごはんつくらなきゃ。」と気にすることも多くて「心ここにあらず」の状態。献立作りが苦手なわたしは、何作ろうと思ってたっけ?と作る時間が迫って度忘れしたり、作るのに時間がかかって子どもが眠くなったり。

ますます、「バタバタしてます」の日々が続き、自分の対応できなさに落ち込みました。

 

夫がいる日は0歳の次女も見てもらえるけれど…

 

そんなある日、ママ友が言ったことばにハッとしたんです。

「きょうは肉じゃが作ってきたから、あとはらくらく~」

 

「え?」(あ、そうか!そこまでやっておけばいいんだ。)

と気がつくと同時に、そんなことも気がつかなかったのかと驚きもしました。

へとへと、くたくたな時って、考える幅も見る幅も狭くなるのだと思うんです。

 

だからと言って、すぐに前もって一品作るということもなかなか続きませんでした。

「温かいのはできたてが一番」「作り置きって同じものを食べ続けるから嫌い」という母の声がわたしに刷り込まれていて(笑)、抵抗があったからかな。(今ではずいぶん軽くなったけれど)

 

そんな私がハマったのが、すぐ使える状態を作る半調理を「1回の手間で数回分やっておく」いわゆる「手間の貯金」です。

 

 

☐ 毎回、野菜を洗う所から始めないでいいように買ってきたら洗っておく。じゃがいもやきゅうりなどは洗って3%の塩水につけて冷蔵しておく。玉ねぎの皮も向いて冷蔵。

 

☐ にんじんを使う時に1本以上をスライサーで細切りし密閉容器に常備する。(じゃこといっしょに炒めて一品。汁物、炒め物にもパッといれて彩りアップ。)

 

☐ 青菜は1束ではなく2束まとめて買い、洗って切っておく。または、無水鍋であっという間の蒸し炒めにして冷蔵。

 

☐ 大根は最初に生で使い、残りを2センチくらいの輪切りにして固ゆで、冷蔵しておく。(煮物、汁物もすばやくできる)

 

☐ 豚モモ、鶏ムネ肉などスライスして、塩こうじをまぶして冷蔵。

 

10年前はこんな入れ物を使っていました。懐かしい冷蔵庫の「貯金」たち

 

ついでにやっておくやり方で夕飯前の台所しごとが軽くなり、毎日の食事づくりをずいぶん楽にしてくれました。冷蔵庫に使いかけの野菜も残りにくくなって、経済的にもいい。今もずっと続いています。

 

苦手と思っていたけれど、それは「やり方次第、くふう次第」なのかなと気がついた家事。

 

そして、方法はさまざまです。分散させたり、週末にまとめたり。何が正しいかではなく、自分に合うものは、笑顔にしてくれるもの。そういう基準でいい。

 

あっという間にすぎていく子どもとの時間、へとへとになって見逃したらもったいないもの。

 

0歳と5歳を撮る自分の笑顔も感じる一枚

 

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吉田尚子

一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト 。モットーは「五感にひびく、今ここにある日常を味わう」こと。「かぞくで家のコト」をキャッチフレーズに、暮らしを見わたす視点で、子どもとお手伝い、家事、時間、片づけなどの講演、講座、個人の相談に寄り添う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/