『子どもと読みたい科学の本棚~童話から新書まで』藤嶋昭 菱沼光代 著 東京書籍
『びっくり!おもしろ 空気遊び』立花愛子 佐々木伸 著 チャイルド本社
『くうきはどこに?』フランクリンM.ブランリー 作 ジョン オブライン 絵 おおにしたけお りゅうさわ あや 訳 福音館書店

 

夏休み前の今回のテーマは「科学の絵本」です。

 

科学の絵本?図鑑のことかなぁ、難しそうだなぁと思われるかもしれません。

 

近年、科学の本や説明文の多い本の出版数、図書館での貸し出し数も減り、子どもたちも積極的に読もうとはしない傾向があるそうです。

 

でも、実は絵本の世界には科学の入り口につれていってくれる絵本というのが多くあることをご存知でしょうか?

 

例えば、赤ちゃん絵本であれば、平山和子さんの『くだもの』は果物ができるだけ実物のサイズに忠実に描かれていて、本当に「さあ どうぞ。」といわれると手を伸ばしたくなる一冊です。赤ちゃんのころから擬人化されすぎず、実物に近い描き方をされている絵本にふれていくことは自然科学の絵本への興味関心を持ってもらえる第一歩と言えます。

 

一見、科学の絵本に見えないけれど、科学の世界につれていってくれる絵本もあります。

 

『ちいさいおうち』はいなかのしずかなところにあったちいさいおうちの周りがどんどん町に変化していくお話です。幼いころにこの本と出合っていたことが、大きくなって環境問題の理解につながるかもしれません。『中をそうぞうしてみよ』や『ふしぎなえ』も角度を変えてみるという意味では科学の世界につながる本です。

 

科学の絵本も多くありますが、私はやっぱり、本を読み終えた後、実際に体験や実験したくなる、身の回りや自然への興味関心を引き出すことができる絵本は楽しいと思います。とくに、作者が研究者や実践者の本は細かいところまで面白いです。

 

そういう本を選ぶのが大変そうという場合は、福音館の月間絵本「ちいさなかがくのとも」「かがくのとも」は、季節に沿ったテーマの絵本が届くので体験にもつながりやすくおすすめです。

 

ちいさなかがくのとも『すなはまのあな』荒川暢 作(2015.9)
ちいさなかがくのとも『しずく』越智典子文 野口満一月絵(2017.6)
ちいさなかがくのとも『たんぼにあおぞらみーつけた!』澤口たまみ文 山口哲司絵(2018.5)
かがくのとも『れっしゃがとおります』岡本 雄司 作(2017.8)すべて福音館書店
※月刊絵本のため在庫がない場合があります。

 

国語でも説明文がでてくると、子どもの中には言葉からだけではイメージができないということがよくあります。言葉はやはり体験とともに身につくものですので、ゆとりのある夏休みに本をたくさん読むと同時に体験を一緒にしてみてはいかがでしょうか?夏休みのテーマを「からだ」「虫」「水」というように決めて、図書館で借りる本を選び、でかける場所もそれに関係するところに行くのもいいですね。

 

我が家の夏のテーマは「空気」にしようかな?夏休みの間、家の中で工作をするときに『おもしろ 空気遊び』や『くうきはどこに?』を読んで、言葉と体験のつながる夏休みをたくさん過ごしたいと思います。

 

左上から
『くだもの』平山 和子 作 福音館書店
『ちいさい おうち』 バージニア・リー・バートン文・絵 石井桃子訳 岩波書店
『しずくのぼうけん』 マリア・テルリコフスカ 作 ボフダン・ブテンコ 絵
うちだ りさこ 訳 福音館書店
左下から
『中をそうぞうしてみよ』佐藤雅彦+ユーフラテス 福音館書店
『ふしぎなえ』安野光雅 絵 福音館書店
『かわ』加古里子 作・絵 福音館書店

 

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このコラムを書いたママ

Kakoさん
 
前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
Instaguram→@kakobook
Blog→http://ameblo.jp/honnotane100-ehon