聞こえた蝉の声に、一気に夏本番を感じました。
青空に入道雲、光も強くなり、景色が違います。
わが家の食卓、暑くなってきたらたっぷりの野菜といっしょに豚の冷しゃぶの出番。
きゅうりなら、千切りにしたり、たたききゅうりにしたり、輪切りで塩もみ、ピーラーで縦方向に長くむいたり。
切り方で味わい方が変わり、同じ材料でも手軽にいろいろ楽しめます。
5歳の夏。「きゅうりを頼みまーす」と言って「ピーラーできゅうり」係をお願いしていました。
まな板にきゅうりを横向きに置き、左手で押さえ、右に引いてスライスします。左利きなら逆で。
子どもにとって道具を使うときは少し緊張しつつも、せっせとひたすら手を動かす気持ちよさ。
きっと頭の中もいっぱい動くでしょうね。
作り方はざっくり、こんな感じです。
・豚肉(しゃぶしゃぶ用)は、片栗粉を薄くまぶしてさっとゆでる。(片栗粉はなくてもよい)
肉の色が変わったら水にとって冷まし、取り出して水けをきる。
・きゅうりは端を切り落とし、縦方向に長くピーラーでむく。ここで子どもと家事時間。
(じょうずかどうかは不要だから、「ま、いいっか」で。「ありがとう、助かったわ」は満載で!)
わが家では一人1本ぐらいの割合。ご家庭で加減してください。
・お皿にきゅうりをふわっとのせたり、半分に曲げて並べたり、お肉も盛りつけてできあがり。ポン酢、ドレッシング、たれなどお好みで。
小さなお子さんは、レタスをちぎって参加するといいですよ。
3歳のころ、ナスの皮もピーラーで。
このあと皮は食べやすく刻んで、ごま油、しょうゆで炒めてきんぴらに。
実の部分はお味噌汁にするなど。
役に立ってうれしい!自分でできてうれしい!というのは、小さいうちにたくさん感じたいこと。
「この間よりじょうずになってるね」「今日も助かったよ~」と声をかけてあげるといいですね。
毎日同じことの繰り返しのように見えるけれど、変わっていくこと、終わっていくことが「育つ」ということなのかもしれません。
おいしい記憶といっしょに、こんな何でもない日常が、ずっと遠い先、子どもがひとり立ちしたあと彼らの中にささやかな支えになって残るのだろうと思います。
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このコラムを書いたママ
吉田尚子
一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト 吉田尚子
「かぞくで家のコト」をテーマに暮らしの講座(子育て、家事、時間、片づけ)や個人レッスンなど、親子の笑顔がふえるようにと活動中。
ブログ「かぞくの家事ノオト」http://shoko3.net/