息子が生まれてから一番本棚に増えたのは乗り物絵本コーナーでした。その中でも一番のお気に入りは『いたずら きかんしゃ ちゅうちゅう』。読みたい絵本を寝室に持ってくるとき、息子が持ちながら、「ちゅうちゅう しゅっしゅっ! ちゅうちゅう しゅっしゅっ」と寝室までの階段をのぼる姿を思い出します。

 

『いたずら きかんしゃ ちゅうちゅう』バージニア・リー・バートン 文/絵 村岡花子 訳 福音館書店

 

息子のお気に入りは主に電車でしたが、乗り物絵本といっても自動車、飛行機、電車、船の本といろいろあります。
その中でも私がおすすめしたいのは、山本忠敬さんの絵本です。「こどもが大好きで乗り物が大好き」な山本さんは、自動車の絵本を作ろうとする時、カタログを集め、自動車工場を取材し、写真やビデオで撮影し、自動車の動きを頭に叩き込んでから全面、側面、後面などいろいろな角度からデッサンした後に絵本の構成に取り掛かられたそうです。『しょうぼうじどうしゃ じぷた』は小さな消防自動車じぷたがいつもは山火事を消して大活躍するお話ですが、勇気をもらえるお話ですが、それだけでなくそれぞれの消防車たちの特徴が細部まで描かれているところもこの絵本の魅力だと思います。

 

『しょうぼうじどうしゃ じぷた』渡辺茂男 作 山本忠敬 絵 福音館書店
『ときゅうでんしゃ あつまれ』 山本忠敬 作/絵 福音館書店
『とべ!ちいさい プロペラき』 小風さち 作/山本忠敬 絵 福音館書店

 

息子は特に蒸気機関車が好きで、蒸気機関車が登場する絵本もたくさん集まりました。5歳の頃は電車や蒸気機関車の本ばかり読みたがったので、毎晩トーマスの分厚い原作絵本を何ページも何ページもせがまれた覚えがあります。大人はいろいろなことを知って欲しいと思ってつい同じ本ばかり読んでとせがまれると趣味が偏るのではないかとついつい心配になりますが、自分の好きなことを満足するまですることで得られる世界は人生の支えになるのではないかと思い、私は息子が好きな世界を満喫し、満足するのを待っていました。
少し大きくなった息子は、最近では蒸気機関車ばかりを追いかけることはなくなってきました。まだまだ一緒に鉄道の旅を楽しみたいなぁと私は思っていたので、少し寂しくもありますが、成長していく息子とこの夏休み。好きな本を読み、電車の旅も満喫したいと思います。

 

 

左上から
『でんしゃでいこう でんしゃで かえろう』 間瀬なおかた 作・絵/ひさかたチャイルド
『せんろはつづく』 竹下文子 文・鈴木まもる/絵 金の星社
『新幹線のたび~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~』コマヤスカン 作・絵/講談社
左下から
『はしれ、きかんしゃ ちからあし』小風さち 文/藍澤 ミミ子 絵/福音館書店
『しゅっぱつ しんこう!』三田村信行 文/柿本 幸造 絵/小峰書店
『汽車のえほんコレクション』ウィルバート・オードリー原作/桑原三郎・清水周裕訳
/ポプラ社

 

—————————

このコラムを書いたママ

永井 知佳子

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
Instagram→@kakobook
Blog→http://ameblo.jp/honnotane100-ehon