『おやすみなさい おつきさま』が息子のファーストブック。まだ息子がお腹にいたときに私が寝る前にお腹の中にいる息子に読み聞かせていた一冊です。うさぎの子どもが眠る前に部屋の中にあるすべてのものに「おやすみ」と声をかけて、ゆっくり眠りについていきます。原書では英語の韻が踏まれ、言葉のリズムも楽しめるそうです。言葉のここちよいリズムを伝えたくて選んだことを覚えています。

 

我が家の読み聞かせの時間は寝る前がほとんどで、寝室に絵本を持っていくことが多く、その時のお気に入りの絵本をカゴの中に入れておいて読むようにしていました。お気に入りにはブームがあるので、本棚に毎日戻すことはせず、カゴに入れておいて、ブームが去ったら入れかえたり、図書館で借りてきた本は自宅の本棚の本と混ざらないようにカゴにいれていたり、と絵本の読み聞かせ生活に本が入るちょうどいいカゴはおすすめです。

 

『おやすみなさい おつきさま』マーガレット・ワイズ・ブラウン作/クレメント・ハード絵/せた ていじ訳 評論社
『おつきさま こんばんは』林明子 作 福音館書店

 

「大好きの気持ち」を伝えられる本も寝る前の読み聞かせの時間によく選びました。

 

『どんなにきみがすきだか あててごらん』を読んで、絵本の中のデカウサギとチビウサギのように布団の上で身体を伸ばして好きの大きさ比べをしたり、厳しく叱ってしまった日には『だめよ、デイビッド!』を読んで最後のページのまねをしてぎゅっと抱きしめたり。

 

絵本の読み聞かせを通して気が付いたのは絵本には「愛情」や「あなたは大切な存在だ」ということが描かれているものも多いということ。そして、絵本の読み聞かせでことばや想像力だけでなく、子どもにとって大切な「世界から自分は認められた存在だと感じる心」、「自己肯定感」も育つということでした。

 

『どんなに きみがすきだか あててごらん』サム・マクブラットニィ文/アニタ・ジェラーム絵/小川仁央訳 評論社
『だめよ、デイビッド!』デイビット・シャノン作/小川仁央訳 評論社
『ハグタイム』パトリック・マクドネル作/覚和歌子訳/あすなろ書房
『おはなをどうぞ』三浦太郎 作/のら書店
『だいすき ぎゅっ ぎゅっ』フィリス・ゲイシャイトー/ミム・グリーン 文
デイヴィッド・ウォーカー絵/福本友美子訳 岩崎書店

 

私は絵本にずいぶん助けられて子育てをしてきました。夜の読み聞かせの時間が私達親子の大切なコミュニケーションの時間であり、とても穏やかな時間であったと思います。息子もずいぶん成長してきて、自分の好みを主張するようになってきましたので、あとどれだけ親子の読み聞かせの時間があるのかわかりません。けれどもできるだけ長くこの時間を大切にしたいと思っています。今回は、穏やかな気もちになれる絵本を何冊か紹介させていただきました。秋の夜長の絵本タイムを楽しんでいただけたらと思います。

 

上段左から
『おやすみ、ぼく』アンドリュー・ダッド 文/エマ・クエイ 絵 落合恵子 訳/クレヨンハウス
『おやすみなさい』ヴィルジニー・アラジディ カロリーヌ・ペリシェ 文/エマニュエルチュクリエール絵/カヒミカリィ訳/アノニマ・スタジオ
『おやすみなさい コッコさん』片山健 作・絵/福音館書店
下段左から
『おへそのあな』長谷川義史/BL出版
『いそがしいよる』 さとう わきこ 作・絵/福音館書店
『ジェインのもうふ』アーサー=ミラー作/アル=パーカー絵/厨川 圭子 訳/偕成社

 

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このコラムを書いたママ

永井 知佳子

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
Instagram→@kakobook
Blog→http://ameblo.jp/honnotane100-ehon