寒い冬がやってきました。こういう季節はやっぱりあったかいお風呂にゆっくりつかりたいですね。

息子がまだ赤ちゃんだったころ、おふろが嫌いでお風呂の時間になると服を脱ぐのに追いかけっこをしていました。その時にお風呂のおもちゃをそろえたり、お風呂あがりにアイスクリームを食べられるという得点をつけたりといろいろ工夫しました。

その親の試行錯誤の一つに絵本の助けも借りて、今では息子はお風呂が好きになりました。

力を貸してくれた絵本の一つが『パンダ銭湯』です。

 

 

パンダのお父さんの「よし きょうは せんとうに いくか」のひと声から始まるお話。

パンダのためのお風呂さんは、『パンダ以外の入店は固くお断りしています』の張り紙が…

なぜなら、そこにはパンダの秘密が隠されているからです。

パンダの親子のやり取りもとてもあたたかく、読み終えた後に心もあたたまる一冊です。

 

一日の疲れをお風呂で癒すわけでもない子どもにとってお風呂って一体どんな場所なのでしょうか?私は子どものころ、湯気が立ちこもる浴室がどこか知らない世界につながっているようで一人で入ることが少し怖かったような気がします。

 

林 明子さんの『おふろだいすき』もお風呂が海につながっているお話。
主人公の男の子、まこちゃんの家のお風呂の底はどうやら海の底につながっていて、ウミガメ、ペンギン、オットセイにカバ、クジラがたどり着いてきます。そして、オットセイとシャボン玉遊びをしたり、カバの身体を洗ったり、みんなで湯舟につかって数を数えてお風呂をめいいっぱい楽しむというお話。まこちゃんの家のお風呂が、動物たちの入れる大きさに変わっていることも不思議。もしかしたら、これはまこちゃんの想像の世界なのかもしれません。

 

お風呂ってやっぱり少し不思議な場所だと思うのです。でも、お風呂の中でちょっとだけ今いるところから離れて、想像の世界に行けるのなら、やっぱりお風呂があってよかったなと思う今日この頃です。

 

上段左から
『おふろだいすき』松岡享子 作/林明子 絵/福音館書店
『こんとあき』 林明子 作/福音館書店
『おふろやさん』西村 繁男 作/福音館書店
下段左から
『どろんこハリー』ジーン・ジオン 文/マーガレット・ブロイ・グレアム 絵/わたなべ しげお 訳/福音館書店
『きしゃのゆ』尾崎玄一郎・尾崎由紀奈 作/福音館書店/こどものとも2016年12月
『もりのおふろやさん』 とよた かずひこ 作/ひさかたチャイルド

 

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このコラムを書いたママ

永井 知佳子

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
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