ときどき無性に旅に出たくなることがあります。飛行機に乗る前のワクワクする感じや違う土地でいつもと違う風に触れたあの感じ。旅に出て新しい自分を発見したり、また別の角度から新しい視点で物事を感じられるようになったりするのが、私にとっての旅の醍醐味。でも明日、旅に出るわけには行かない。だから、そんな時にはお気に入りの旅の絵本を開きます。

 

『旅の絵本Ⅲ』安野 光雅 作/福音館書店
『つばめこうくう』もとやすけいじ作/佼成出版社

 

今回は、我が家のお気に入りの『旅の絵本』をご紹介させていただきます。

旅の絵本といえば、一番に思い浮かぶのは、やっぱり安野光雅さんの旅の絵本シリーズです。我が家の本棚には『旅の絵本Ⅲ<イギリス編>』があります。物語の舞台としてもたくさんのお話が生まれたこの土地にどうしても行ってみたくて、旅行をしたことが1度だけあります。あとがきで安野さんも書いていらっしゃるように、イギリスは本当に村の美しい国だと感じました。絵本の中にもその美しさとたくさんの物語がかくされています。「不思議の国のアリス」「ジャックと豆の木」「ピーターラビット」「ドリトル先生」。文字のない絵本ですので、自分だけの旅路の中で物語を探しながら読み進めるのがおすすめです。

 

つぎに、息子のお気に入りは『つばめこうくう』です。ツバメが飛行機であるという設定で、その航空会社名が「つばめこうくう」です。旅行前の飛行機に乗るときの旅のわくわく感をカエルの親子と一緒に楽しめ、つばめが飛行機であるというところがまた旅を盛り上げてくれています。飛行機に乗った時にある航空会社オリジナルの機内食やお子様専用のおもちゃなんかも息子は楽しみなようで、この絵本の表紙裏に描かれているノベリティグッズにうっとりしていました。

 

違う視点になれるという点においては本を読むことは旅をすることに似ているのかもしれません。しかも、本は縄文時代にも行けてしまいますし、エジソンやピカソにもにも会える。その点においては、本はやっぱりいいなぁと思います。

当分、旅する予定はないので、いつかまた旅する日まで、旅の絵本で楽しみたいです。

 

上段左から
『とおい ところへ いきたいな』モーリス・センダック作/じんぐう てるお訳/冨士房
『ベンジーのふねのたび』マーガレット・ブロイ・グレアム作・絵/わたなべ しげお訳/福音館書店
『ガンピーさんのドライブ』ジョン・バーニンガム作/みつよし なつや訳/ほるぷ出版
下段 左から
『くんちゃんのだいりょこう』ドロシー・マリノ文/絵 石井桃子 訳/岩波書店
『バムとケロのそらのたび』島田ゆか/ぶんけい堂
『旅するベッド』ジョン・バーニンガム作 長田 弘 訳/ほるぷ出版

 

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このコラムを書いたママ

永井 知佳子

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
Instagram→@kakobook
Blog→http://ameblo.jp/honnotane100-ehon

 

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☆3月9日(土)〜11日(月)に「京町屋be京都」にて本ばかりのイベントを開催!

 

・『物語の世界を自分の言葉で表そう !~帯作りワークショップ~』
自分のことばで伝えることを中心とした、本の帯づくりワークショップを開催します。
楽しみながら要約する力、伝える力を学べるワークショップです。
日時/3月9日(土)13時30分~14時10分、15時~15時40分
料金/500円
対象/小学生(各10名)

 

・『お花で楽しむ絵本の世界~「はなをくんくん」春の訪れを感じるブーケ作り 』
絵本を読んで、そこからイメージするお花で ブーケを作りましょう。
お子さん連れの場合は、ママたちがお花を作っている間
お子さんに絵本の読み聞かせを開催します。
日時/3月11日 (月)
午前の部 11時〜12時
午後の部 13時30分〜14時30分
料金/2,500円 (花材費込み)
定員/6名

 

・『絵本で育てることばとこころ お母さんのための絵本講座』
絵本のある子育ての楽しさとその大切さを国語教育の観点も踏まえてお話させていただきます。
「お花で楽しむ絵本の世界」とセットで受講していただきやすいお時間帯です。
日時/3月11日 (月)
午前の部 12時20分〜13時(40分)
午後の部 14時50分~15時30分(40分)
料金/500円
定員/各回10名

 

お申し込みは「be京都」まで
WEBサイト/ www.be-kyoto.jp  メール/ info@be-kyoto.jp