「家で待機」がぐっと押し寄せてきて、子どもの留守番、家や家族の居心地ということについて、思いめぐらしています。

 

わが家の小学生と高校生はこの間の長いお休みで学校の活動のすべてが止まり、いつもと違う時間の流れを味わいました。

 

ふーっとひと息つく様子の彼ら(と私)。見えてきたのは、宿題だ部活だ学校だと「~しなければならない」いっぱいで暮らしているということ。大きくなればなるほどに。

 

やりたいことをやっているようでも、ないとなると親も子も解放感に包まれました。(一時的に、だけれども)

 

9年前の長女8歳、次女3歳 交代でまぜるのをカウント中。母は口出し抑えひそかに撮る。

 

お昼ごはん作りは、家にいることになった子ども担当になりました。

 

家事は運動のように体の動かし方でもあるなと思います。やってないといきなりはうまくやれないという面をもっています。

 

私がいなくても大丈夫なように、子どもが先々自分で自分を助ける力を出せるように、と彼らが幼い時にそんなことを願って、お手伝いを生活と育ちの中にどんと置いてきました。

 

そんな“願い”がなかったら、忙しいのにぐちゃぐちゃになったり、残念な結果がでたりする面倒なことをやり続けなかったと思うんです。大人の私がやったほうが早いし楽ですからね。便利な電化製品もありますし。

 

喜んでやりたがるのは幼少期。それ以降は、めんどくさいなあと言いつつも、やろうと思えばやれるし、やるもんだから、と続けてくれました。

そんな彼らの中に育った力を見せてもらったのが、この長い春休みでした。

 

家族でのんびりした3月のリビング

 

今までに食べたものが、今日の私の体を作っているように、夫や子どもたちとこれまで繰り返してきた生活が今日のリビングなんだ、と気がついたのでした。だから、今日からすることは少し先のリビングルームになるというわけ。

 

毎日お箸を並べる、タオルをたたむ…まずはそんなところから。

幼い子どもと一緒に家のコトをして過ごす時間が、もっと先の支えになる。

そう思って力をたくわえるように暮らす。

そんな見方も今できることかもしれません。

 

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吉田尚子さん

 

 

一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト。保育士。2人の子どもの母。「かぞくで家のコト」をテーマに、暮らしを見わたす視点で、子どもとお手伝い、家事、片づけなどの講座、個人の相談に寄り添う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。

「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/