“STAY HOME~おうちですごそう”という呼びかけの毎日、子どもたちが家のコトをやっているという話題をSNSで目にすることがぐんと増えました。

 

それは、お箸を並べる、洗濯物を運ぶ、たたむ、ゴミ袋をセットする、モップ掛けする、朝ごはんやお昼ごはんを作る、下の子の世話をする…などなど。

 

新型コロナウイルス感染症の感染拡大については憂いもあり、思わぬ形でのおうち時間への注目となりましたが、その中でもほんとに楽しそうにしている子どもたちの様子に、うれしいなあ~って思って眺めています。

 

子どもたちは「やりたい!」のかたまり。勝手にやってしまって、親の悲鳴になることもあるけれど。

 

1歳5か月のときの長女。朱肉で口紅?! 「やりたかったんだな」と思ったら笑いがこみあげてきて、とても愛おしく感じたことを思い出します

 

休園休校の年齢の子たちの親としては、増えた家時間の中で何させようと悩む日々かもしれませんが、家のコトは、手や体を動かし、生活のリズムを作り、生き生き暮らすのに最適です。

 

でも、「お手伝いさせるなんてかわいそう」という声も聞こえてきます。それは、“させられる家事“という意識があるからかもしれません。

 

私にとって「お手伝い」とは、文字通り手で伝える、手渡していくことです。

大人から子どもへ、赤ちゃんの時には100%全て大人がお世話していたことを、少しずつ自分でできるように伝えていく、手渡していく。任せていくことを増やしていく。それは成長そのもので、とってもハッピーなこと。

 

また子どもから大人へも。その手を力として渡していく。お互いに「ありがとう~」なこと。これが一番ダイジと思うのです。

 

長女6歳のときの巻きずしづくり

 

料理については子どもの「やりたい!」も高まります。
今までは、ついつい「また今度ね」「あとでね」とやり過ごしていたことを、「今日の夕方」「明日のお昼」と自分に予約をするようにしてみる。お手伝いへのハードルが高いのは、実は大人の方なのですから。

 

そしていつもの話ですが、口出し、手出しをしないことを大切に。ただガマンするのはしんどいから、目の前の子どもの「やりたい気持ち」を想像して愛おしさの値を上げるといいですよ。

 

変化に左右される日常の中で、変わらずにある家事が心や体を落ち着かせ、整えるといいます。

 

暮らしの中の家事がかぞくみんなの習慣になり、チーム力が高まること、それがこの時期からの贈り物かもしれません。

 

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吉田尚子さん

 

 

一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト。保育士。2人の子どもの母。「かぞくで家のコト」をテーマに、暮らしを見わたす視点で、子どもとお手伝い、家事、片づけなどの講座、個人の相談に寄り添う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。

「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/