保育園で0~3歳の子どもたちを見ていると、キッチンセットに惹かれる子は多いなと感じます。そして2歳の後半になると、作り手になってふるまう子がぐんと増えます。
わが家でも、そんな様子は長女2歳8カ月ごろに記録されていました。
幼少期は、「またやってみよう」の根っこをつくる大切な時期
カチャカチャと道具を動かし、「はい、どうぞ」と出してくる。「わあ、ありがとう。いただきます。」と応えると、にこにこと。
赤ちゃんの頃から見てきた生活の風景を再現しながら、作ること、やりとりすることを味わっているようです。大人がどう愛情が伝わる受け答えをするか、「またやってみよう」の根っこになる大切な時期でもあります。
時は移って、17歳。
親子丼が大好きな長女に、お昼ごはんで作ってみたら?と言った今年。
スマホでレシピを見ながら挑戦し、おいしいけども辛すぎるとか、甘すぎたとか、玉子が固まったなど思うようにできないことも多々あり。
「ままごとの手」の十数年後
何度かくりかえして、おいしいのを家でいただけるようになった日。コロナ禍から成果、母さんしあわせでした。
あの「ままごとの手」が十数年後、この手になったのか、としみじみです。
小・中学生の時によく料理をしていたかというと、そうでもない彼女。自分が好きな「納豆やきめし」「納豆入り玉子焼き」だけは、時々作っていましたが(笑)
どや顔で出してくれるのは、「前よりおいしくできた!」と食べる家族がいるからかな。
大事にしたいと思うことは変わりません。「育てる」というよりは、良かれと思って「育ちのじゃまをしない」という感じ。
子どもとの気持ちを表すことばのやりとり。ありがとう と うれしさ をしっかり伝えること。
そこから「次」につながるからです。
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吉田尚子さん
一般社団法人家事塾 1級家事セラピスト。保育士。2人の子どもの母。「かぞくで家のコト」をテーマに、暮らしを見わたす視点で、子どもとお手伝い、家事、片づけなどの講座、個人の相談に寄り添う。家事塾(創立・辰巳渚)での学びと前職学習塾で多くの親子に関わってきた経験を活かし、親子の笑顔を願って活動中。
「かぞくの家事ノオト」https://shoko3.net/