毎日使うキッチンだから、自分らしく楽しみたい、
お気に入りの場所にしたい。
料理家の小堀紀代美さんに、
素敵なキッチンアイデアを教わるコーナー。

今回は、おもてなしアイデアと
ちょっとのプラスルファで
料理をもっと楽しくする工夫をご紹介します。

 

 

木のサーバーとツール立て

 

おもてなしといっても、わが家はお互いに気兼ねないスタイルで。
テーブルに料理を並べて「ハイ、どうぞ好きに食べてね」と自由に取り分けてもらいます。

そんな時に活躍するのが木のサーバー。
温かみがあるので場が和むし、料理にもなじむんですよ。
見かけるとついつい、いくつも買い求めてしまいます。

 

 

お気に入りのサーバーたちは、引き出しに仕舞わずに陶器のピッチャーへ。
ピッチャーは花瓶に使うこともありますが、ツール立てとしても活躍しています。

身のまわりのものをぐるりと見渡せば「あ、これ使えるかも?!」と閃くかも。
自由な発想で、キッチンを楽しんでみてくださいね。

 

 

好きなものを選んでね

 

木のサーバー同様に、見かけると買い求めてしまうものが、コースター。
手編みのものや、手づくりのウールのものだったりします。
かわいいので、つい、刺繍の部分をなぞってみたり、手にとっては眺めてみたり・・・。

 

 

お客さまが来たときは、デンマーク製の木のボウルに入れて「好きなのを選んでね」とテーブルへ。
好みで選んだり、器に合わせて選んだり、ちょっとした楽しみも生まれます。
コースターだけでなく、ペーパーナプキンなども自由に選んでもらうのもおススメです。

 

 

 

お鍋を冷ましたり、お皿を置いたり、手順に差がつく、15センチ

 

引っ越しは、上京してからの27年間で13回も! !
13通りのキッチンを使った経験からおすすめするのが「ちょっと棚」。
作業する目の前に「ちょっとモノが置ける、奥行き15センチくらいの棚」があると便利です。

 

 

また、散らかし屋の私は料理中、鍋や皿の置き場に困り、作業の流れが悪くなることも。
そんな時、冷ます間の鍋や盛りつけるお皿を、とりあえず「ちょっと」置ける場所があるとスムーズに。
植物や、いつも使うお茶セットを飾っておくこともできます。
私にとっては、窓際の10センチでも、あるとないとでは大違いなのです。

 

 

私の“ちょっと鍋”

 

「ちょっと」あると便利なのは、棚だけじゃありません。
たとえば、重い鍋を取り出すのがおっくうな時。
「ちょっと」使うのにちょうどいい小さな鍋があれば、料理を軽やかにしてくれます。

私のお気に入りの「ちょっと鍋」は、ダンスクのバターウォーマー。IHにも対応しています。
牛乳を沸かしたり、ゆで卵やブロッコリーを3、4房茹でたり、1人分のスープを温めたり。
まさに「ちょっと」に大活躍。

ホーロー素材のフォルムに木の持ち手もかわいく、置いておくだけでアクセントにもなります。
こんなお鍋、自分の楽しみのためにあってもいいですよね。

 

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小堀 紀代美さん

東京都渋谷区の「LIKE LIKE KITCHEN」店主を経て、現在は「きょうの料理ビギナーズ」など雑誌でも活躍中。著書に料理とスタイリングを手がけた「2品でパスタ定食」(文化出版局)など。