息子が3歳のとき「どうして手を洗うの?」「どうして歯をみがくの?」という調子で毎日それに答えるのに疲れ果てた覚えがあります。そんなときに出会えた絵本が『かぜは どこへいくの』です。

 

素敵な一日を過ごし、まだ眠りたくない男の子が「どうして、ひるは おしまいに なってしまうの?」とお母さんにたずねます。「よるが はじめられるようによ。」とお母さんが答えますが、男の子はつぎつぎと「どうして?」を繰り返します。でもそのたびにお母さんは優しく丁寧に誠実に答えていく。

 

どうしての質問攻めに少し疲れていた私はその絵本の中のお母さんの答えに感動し、母としての姿勢を学びました。

 

絵本を一緒に開いて過ごす日々は母親である自分にとって癒しであり、子どものそばで読み聞かせすることで安心して一日を終えることができる楽しいひと時です。

 

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絵本には想像力、集中力、語彙力などさまざまな力を育てる効果があるそうです。

 

でも、絵本を開く大人がそれを期待すると子どもはそれをちゃんと知っていてさっと絵本から遠ざかってしまいます。だから絵本を読むのは好きな絵本を読み合うくらいがちょうどいい。

 

絵本の世界を一緒に旅してまた次の旅にでかけるような、絵本と一緒にお母さんも子どもとともに経験し、育っていく。そんなかけがいのない思い出を読み聞かせの時間で紡いでいきたいと思う日々。

 

 

このコラムでは、思い出の絵本たちと絵本のある子育てについて紹介させていただきます。一緒に絵本のある子育てを楽しんでください。

 

 

~素敵なお母さんに出会える絵本~

 

右上『よくきたね』
松野 正子作 鎌田暢子絵 福音館書店

 

左上『いつまでも すきでいてくれる?』
マーガレット・P・ブリッジズ作 メリッサ・スウィート絵 まつかわまゆみ訳 評論社

 

右下『かぜはどこへいくの』
シャーロット・ゾロトウ作 ハワード・ノッツ絵 松岡享子訳 偕成社

 

左下『ジャムつきパンとフランシス』
ラッセル・ホーバン作 リリアン・ホーバン絵 松岡享子訳 好学社

 


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このコラムを書いたママ

前職で国語を教えていました。国語の力の基礎は幼少期の読書です。本との最初の出会いである親子の読み聞かせの時間の大切さをたくさんの方に知っていただけたらと思い、読書支援活動をしています。5歳児ママ。
Instaguram→@kakobook
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