立命館小学校

調べて学ぶ楽しく学ぶめざせ探求マインド

ネイティブ教員と日本人教員による英語の授業や最新機器を揃えたICT教育など、先駆的な教育内容でつねに注目を集めている立命館小学校。そのユニークさは、「放課後」の過ごし方にも見られます。午後の授業が終わった後、多くの児童が「アフタースクール」に参加しているそう。みんな学校に残って何しているの?クルールが取材してきました。

授業イラスト

デジタル時代だからこそ
伝統文化を大切に

立命館小学校では学習にパソコンやタブレットをいち早く取り入れるなど未来志向の手法をフルに活用しながらも、日本の伝統文化に触れ、学ぶ機会をとても大切にしています。通常の授業の範囲内でも、浴衣の着付けや日本舞踊の基礎を学んだり、伝統産業のお店や会社を訪問したりと、京都という地の利を生かした取り組みが盛んです。
それに加えて放課後には各ジャンルの専門家を講師に迎えた本格的なレッスンを開講しています。内容も多彩なこれらの講座を立命館小学校では「アフタースクール」と呼び、希望する児童が参加しています(受講は有料、登録制)。
茶道と華道は畳と襖の和室「伝統文化室」を使用して、それぞれ多くの児童が正座し、熱心にそして楽しそうに活動していました。一方、地下のアクトシアターで開かれていたのは和太鼓講座。元気いっぱいに振り下ろす撥から力強い音が響き渡っていました。

花道

 

講師は各界の専門家
本物の技・知識から学ぶ

講座の種類は20科目、月~木曜の放課後16時から50分間、校内でそれぞれ開講します。立命館小学校のアフタースクールがクラブ活動(部活)等と異なる点は、外部から専門家を講師として招聘している点です。講座は伝統文化の分野だけでなく、サッカーやバスケットボール、チアリーディングといったスポーツ、英語や中国語など語学講座、絵画やヴァイオリン、またボードゲーム講座というユニークなものもあります。すべて専任講師がオリジナルの教材を用意して児童に教えています。いわば校内でお稽古事に通っているのと同じなのです。いったん帰宅→着替える→レッスンバッグを持って塾や教室へ、というプロセスを省けるので児童はもちろん保護者にも大変好評です。

サッカー

 

預かりの新たな形を目指し
放課後が有意義に

立命館小学校では、アフタースクールの後に18時まで児童を預かることができます。預かりの新たな形を目指し、この時間を「プライマリータイム」と名づけて、アフタースクールとはまた違う学びの場としています。
プライマリータイムは外部の学習塾と提携しており、独自の教材やSDGsを柱とした豊かな学習を通して、参加児童は一様に興味津々で楽しそうに過ごしています。放課後を1時間ごとに区切って学習タイムを設けているので、たとえばアフタースクールまたはクラブ活動の終了後にプライマリータイムの17時の部に参加、そして18時にお家の方が迎えに来て下校、というふうに放課後を過ごす児童もいるわけです。児童が帰った時にはすでに宿題も終わっていて、親子の時間がゆっくりと過ごせます。これって、とても有意義な放課後だと思いませんか?ちなみに夏休みの長期休暇期間もプライマリータイムに参加することができます。

《地域に開かれた交流の場》「EARTH」(アース)

立命館小学校 教頭 伊藤邦人 先生

立命館小学校 教頭 伊藤邦人 先生

月曜から金曜は、朝から夕方まで児童が生き生きと活動している立命館小学校。では土曜・日曜は?
立命館小学校には入試がありますから、これまでも受験生と保護者に向けた説明会など入試に関する行事は盛んに行われてきました。校内見学会や、年少・年中児と在学児童とのふれあいイベントなど、工夫を凝らした催しを実施しています。
そうした「入学希望者」だけでなく、もっと多くの、幅広い世代の人たちに立命館小学校へ来てもらおう、立命館小学校で交流してもらおう、というコンセプトで始まったのが「EARTH(アース)」(下記参照)です。
「立命館小学校としては、立地しているこの北大路という地域とともに在りたいと考えています。児童や保護者、入学を希望する方だけでなく、地域のみなさんにも愛され共存する学校でありたいと思います」とおっしゃるのは教頭の伊藤先生。始まったばかりの「EARTH」の取り組みですが、のべ1000人ほどの方の参加があり、手応えは上々のようです。「学校の中を一度見たかった。」と喜んでくださる方も多かったそう。ご参加いただいた方々の満足度は高く、RITSアカデミーの参加者の方からは「講師の先生の深い話だけではなく、体験もできて楽しかった。」と感想が寄せられたそうです。「2024年度もさらに魅力的な内容を企画していきたいです。」と意気込みを語っておられました。

EARTH(アース)の4つのカテゴリ

1. りっつ・ひろば

1~3歳のお子さんとその保護者が対象。立命館小学校のメディアセンター(図書室)を活用した子育てサポートや子育て世代どうしの交流促進の場。

11月「絵本で秋を見つけたよ」

11月「絵本で秋を見つけたよ」

2. RITSプラス

立命館小学校が授業の一環で行う芸術鑑賞会等でのつながりを生かし、音楽家や劇団など多様なジャンルのパフォーマンスを一般向けに開催。(会場はアクトシアターや体育館。)

2月「栗コーダーカルテットコンサート」

2月「栗コーダーカルテットコンサート」

3. RITSアカデミー

大人のための学びのプログラム。立命館小学校の授業を受けたい!との声に応えて、各分野の専門家による成人向けの講演やワークショップを開催。

11月「草木染」

11月「草木染」

4. RITSワールド

立命館小学校の施設を広く一般に開放して楽しんでいただく催し。前回は知育玩具やあそび環境づくりで有名な「ボーネルンド」とタイアップして、学校をあそび場として開放。

1月「ボーネルンド」

1月「ボーネルンド」

※本内容は子育てフリーマガジン「クルールきょうと版2024年3・4月号」に掲載された内容です。教員情報および取材内容は掲載当時のものです。