立命館小学校

京都で学ぶ京都を学ぶ

立命館小学校では授業やアフタースクールで茶道や生け花、草木染や陶芸など、本物に触れて学ぶ機会がたくさんあります。教える先生はその道のプロフェッショナル。これらの学びを立命館小学校の「京都学」とし、児童にとって貴重な経験の場となっています。紫垣教頭先生にお話をうかがいました。

立命館小学校 教頭 
紫垣 香奈(しがき かな)先生
ご自身も草木染をし、茶道も嗜むという教頭の紫垣先生は、好奇心が旺盛で瑞々しい感性をもつ時期に本物に触れることの重要性を強調されます。「ここでしかできない貴重な体験は子どもたちの将来に必ず生きてきます!」

授業イラスト

立命館小学校の
「京都学」

立命館小学校では、伝統芸能の習得、抹茶茶碗づくり、調べ学習などといった校内での活動や、植物園や賀茂川といった自然から学ぶ活動や近隣商店街を訪ねる「まち探検」など、京都ならではの学びを「京都学」と呼び、本校の教育の特徴のひとつとして位置付けています。

京都学

もてなしの心を育む
抹茶茶碗づくり

図工科における陶芸は、本校創立時からずっと取り組んでいます。低学年では土に親しみ、4年生以上で抹茶茶碗をつくります。抹茶茶碗はどのようにできていて、飲む人のためにどのような工夫がされているかを学び、家族に使ってもらうことを念頭につくります。大切な人の手に馴染むお茶碗をつくる――この経験が他者をもてなす心を育みます。

抹茶茶碗づくり

抹茶茶碗づくり

身近な植物で
絹地を染め上げる

また、人間国宝で染色家の志村ふくみ先生の孫である志村宏さんとご縁があり、志村さんの「10歳の感性がとても大切」というお考えのもと、5年生で草木染の授業を行っています。毎年テーマを決めて行うのですが、今年度は「伝統の色を染める」というテーマで、ベニバナ(紅花)、キハダ(黄檗)、シコン(紫根)、アイ(藍)を使って染めました。染まった絹地は家庭科の授業で手縫いをして、茶道で使う古帛紗に仕立てます。

草木染の様子

草木染の様子

畳の部屋で茶道を学び
お茶会でおもてなし

5・6年生になると立命科(道徳科の内容を含む立命館小学校独自の教科)の授業で茶道を学びます。この取り組みも開校時から実施しているもので、裏千家の先生に指導をお願いしています。まずは畳の上で正座をし、姿勢を正して先生のお話を聞くことから始まり、お茶をすすめ、またいただく際の作法を習い、おもてなしの心やお点前を習得していきます。
そして、抹茶茶碗づくり、草木染と古帛紗づくり、茶道の学びの集大成として、6年生の最後の授業では、保護者のみなさんをお招きしてお茶会を開きます。自分でつくったものを用いて感謝の心を伝えるお茶会は、卒業が近づいてきた子どもたちにとっても保護者の方にとっても、感慨深い時間となっています。

自作の抹茶茶碗でおもてなし

自作の抹茶茶碗でおもてなし

「真の国際人」への
第一歩

本校では教育の柱の一つに「真の国際人を育てる」ことを掲げています。そのため、開校時から海外の小学校と提携をして海外研修の機会を設けたり、立命館大学に籍を置く国際学生に来てもらって児童と交流するワールドウィークという行事を行ったりしてきました。そういった国際交流の経験を通して、子どもたちは日本の外の世界を知ります。
例えば、先ほどお話したワールドウィークでは、国際学生が自国の文化について教えてくれたり、実際に歌や踊り、民族衣装を披露してくれたりします。その誇らしげな様子を目の当たりにした児童らは、では自分たちは何を日本文化として紹介できるか、を考えますよね。本校では、日本舞踊、和太鼓、お箏などの授業も行っていますが、こういった場面で、自分で浴衣を着て日本舞踊を踊ってみせる、ということが自然にできたらとても素敵なことだと思います。
「京都学」として普段から取り組んでいるからこそ、「これが日本の、京都の文化です」と自信を持って表現し、お互いの文化を大切にした交流ができます。こういったことが、「真の国際人」としての第一歩になるのだと思います。

紫垣 香奈(しがき かな)先生

つながりが
生んだ「京都学」

本校児童のために指導に来てくださる講師の方々はほとんどが地元にお住まいで、京都で伝統産業や文化事業に従事されています。京都の素晴しいところは、先人たちの叡智が今なお引き継がれ、そこここに見出すことができるという点にあります。現代に生きる私たちは、歴史上の出来事とか過去の遺物としてでなく、日常生活の中にあり、接し、使うものとしてそれらを学ぶことができるんです。
「京都で学ぶこと」「京都を学ぶこと」を通して、子どもたちに京都の伝統や歴史に誇りを持つアイデンティティを育んでいければと思います。

伝統芸能の学習

日本舞踊・和太鼓・お箏など日本の伝統芸能を学ぶ

2025年度 立命館小学校アート作品展 のお知らせ

本文中でご紹介した抹茶茶碗や草木染をはじめ、絵画、造形、3Dプリンター作品など、本校全児童720名の個性あふれる作品を立命館朱雀キャンパス(地下鉄二条駅から徒歩5分)にて公開します。3年に一度のアート作品展へ、ぜひご来場ください。(入場無料・申し込み不要)

アート作品展のイメージ

※本内容は子育てフリーマガジン「クルールきょうと版2026年1・2月号」に掲載された内容です。取材内容は掲載当時のものです。