一人ひとりが積極的に考え行動する「自走力」につながる「思考力」を育むノートルダム学院小学校の髙野 北斗先生に関わり方のヒントをうかがいました。

 

 

 

思考力ポイント1

 

 

「過保護」でいいんです

 

「過保護」といっても先回りして転ばぬ先の杖を出すことではありません。子どもが自発的に行動できるようにするためには、手をかけるのではなく「目をかける」ことが大切だと実感しています。例えば先日、教室を出ようとしたら係ではない子どもが黒板消しを手伝う姿が見えまし
た。一瞬そのまま通り過ぎるところでしたが、とっさに「ありがとう!」と伝えることができ、子どものうれしそうな笑顔を見ることができました。普段から子どもをよく見て、良い所を見つけたら即ほめる、悪い所があれば必ず叱る。その繰り返しです。

子どもが自ら考え、行動する主体性は、放任していても育ちません。常に「目をかけてくれている」その安心感があってこそ生まれるものです。

 

 

 

思考力ポイント2

 

 

 

雑に褒めない、叱らない

 

過保護なくらい見守り力を発揮していると、雑なほめ方や叱り方ができなくなります。子どもたちのノートを返すときも単にハナマルを付けるのではなく、「ここが良かった」と具体的に書き添える。漠然とほめるのではなく、子どもたちが納得いくように具体的にほめると子どもも「自分のことをよく見てくれている」とうれしくなり、教員を信頼します。この信頼関係が「自分なりに考えて行動しても大丈夫!」という自己肯定感を育むのです。

 

叱るときも同じです。「年上だから」などと反論できない理由で我慢させたり、「ついでに」昔の失敗も叱ったりするのではなく、そのときに叱るべきことを、経緯を踏まえて具体的に、納得いくように叱る。とくに高学年ともなると、納得するのが難しいことも増えてきます。例えば学校は「シャープペンシル禁止」ですが、「ルールだからダメ」と叱っても子どもたちは納得しません。なぜダメなのか、そのルールは変えられないのか。日常で子どもたちが感じる理不尽を総合学習の時間を使って「子ども人権宣言プロジェクト」として展開し、「子どもも意見を言って良いんだ!」「こんな考えもある!」という自信や気づきにつなげています

 

 

思考力ポイント3

 

 

「失敗」を記録に残す

 

勉強でも習い事でも「中だるみ」の時期がありますが、やる気にさせる方法は悩ましいところです。わが家でも「スイミングに行きたくない」という時期がありました。親としては続けた方がいいと思いつつも、言いくるめることはしたくない。そこで、習い始めた頃の動画を一緒に見てみたところ、「昔より今のほうが上手になった!」と実感できたようで、続ける意欲がもてるようになりました。

わずか数年の人生経験しかない子どもは、自分の成長を実感したり、その先の未来を想像したりするのは難しいもの。「今やめたら後悔するよ」と未来を先取りして口先だけで言うのではなく、「昔できなかったことが、今はできるようになっているね」と一緒に過去を追体験しながら成長ぶりをほめる。そんな風に、親が子どもに目をかけ、見守り続けていれば子どもの「自走力」につながる「思考力」が伸びる時がきっときます。

親の目が行き届く時間はあっという間。毎日忙しくされている保護者の方が多いとは思いますが、毎日少しでも、お子さんとしっかり向き合う時間を一緒につくっていきましょう。

 



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