立命館小学校

みんなの思いを詰め込んで未来宣言をつくったよ!

2006年に開校し今年度、20年目を迎える立命館小学校。これからもみんなが仲良く楽しくたくさん学べる学校であるように、この機会に「未来宣言」をつくりました。中心になったのは「ハウス代表」を務める6年生。小学校の中に「ハウス」? 主幹で、児童会担当の茶谷先生にナビゲーターをお願いし、ハウス代表6人のみなさんにお話を聞きました。

立命館小学校 主幹 
茶谷 美保(ちゃだに みほ)先生
開校時からお勤めの茶谷先生は、まさに20年間、立命館小学校とともに歩んでこられました。数多の取り組みの中でも、やはり「ハウス活動」を通した児童との思い出は、格別だそうです。

授業イラスト

なりたかった!
ハウス代表

―今日はハウス代表の6人が集まってくれました。いわゆる「児童会長」というポストがない立命館小学校では、ハウス代表がすなわち児童の代表といえるわけですが、なぜ代表に立候補しようと思いましたか?
「高学年になるにつれて《ハウス》を意識するようになって、すると代表の人たちを見てすごい、と思うようになりました」
「そうそう。みんなの前に立って、堂々と挨拶したり話をする姿がかっこよかった!」
「どうしてこの人たちはこんなに何でもできるんだろう。それを知りたくて代表になりたいと思いました」

高い倫理観と自立心を養う教育『ハウス制度」

立命館小学校独自の異年齢交流活動のもとになる制度。異なる年齢間の交流は相手の立場に立って考える力を養います。学校全体が6つのハウス(桜・桐・欅・樫・楠・楓)に分かれ、さらに4つのファミリー、そしてファミリーは5つのBS(Brother&Sister)グループに分かれます。BSには1年生から6年生までが1人ずつ所属し、活動を通じて異年齢どうしの絆を育みます。

ハウス活動のイメージ1

―実際にハウス代表になってみて、どんなことを感じていますか?
「全校集会の時とか、みんなの前に立つと友達の視線をすごく感じて、初めの頃は怖かったかな」
「先生たちも周りにいるから、すごく緊張します。この子はしっかり代表が務まるかな…など、どう思われているか気になります」
「でも、自分のことを見て応援してくれてると思うと嬉しいです」
「しっかり、堂々としなくちゃ、と思います。みんなに背中を押される感覚があります」

―ハウス代表として、とくに心がけていることはありますか? みなさんなりのリーダーの心得があれば教えてください。
「自分たちばかりが目立つ立場を取らないようにするのは重要かな」
「代表といっても全部自分がしょい込むわけではないし、みんなの協力が必要。だからうまく役割分担をしないと、と思う」
「中心になって動きたがる子は必ずいるので、そういう子に役割を譲ったり、責任もって進めてくれるようにもちかけたり」
「それ、大事。強く命令されるとかえってやる気失くすよね。だからいつも伝え方には気をつけています」

20周年式典と
「未来宣言」

―今年は立命館小学校が開校20年目ということで、従来のハウス活動のほかに記念式典での司会や、「未来宣言」の作成という、今年だけの大きな仕事がありましたね。ではまず、「未来宣言」はどんなふうにつくっていったのかを説明してくれますか。
「毎日、給食の時間に代表どうし集まって、食べながら話し合いました」
「未来への宣言だから、これからの立命館小学校がどうなっていくのがいいか、みんなに言葉や文章を書いてもらいました」
「全員に書いてもらったから、約720人分の言葉が集まって、それぞれの気持ちとか学校への思いとかが伝わってきました」
「夢、友達、協力、笑顔……いろいろあったよね、思わず笑ってしまうユニークなものも」
「みんなの言葉の中に、立命館小学校で毎年選んでいる《今年度の漢字》が全部入っていることに気づいて、宣言文にも入れよう!ということになりました」
「コロナについても宣言文で、触れています。私たちの話し合いの場で自然に出てきました」

ハウス活動のイメージ2

―みなさんが入学した当時、ちょうどコロナ禍のために何もできなかったんでしたね。ハウス活動は児童が集まって行うものなのに、清掃活動もできなかったし、遠足にも行けませんでしたね。
「そうそう。だからコロナ禍が明けた3年生になって、やっと《ハウス》の仕組みが分かってきました」
「でも、だからこそ、ハウスが好きになったといえるよね」
「コロナがなかったら、ハウス活動の形も、私たちの気持ちも、今とは違ったものだったかもしれません」

ハウス活動のイメージ3

―できあがった「未来宣言」を記念式典で発表したときは、どんな気持ちでしたか。
「もう、すごく、ドキドキした!」
「先生たちもいるし、卒業生や学園関係者の方なども来ていたけど、何より児童全員の前で宣言文を言えたのが嬉しかったです」
「20年間って、私たちが生きてきたよりも長くて、そうやって受け継がれてきたんだと思うと、胸がいっぱいになりました」
「未来宣言にもあるように、これからも笑顔と幸せがあふれる学校であってほしいと思います!」

立命館小学校 主幹 茶谷 美保(ちゃだに みほ)先生

コロナ禍当時、私は6年生担任でした。今まで通りの交流ができない中、オンラインでクイズ大会をしたり、なんとかハウスのバトンをつなげようと頑張っていた子どもたちの姿を思い出します。その時に入ってきた1年生が、今の6年生。この子たちだからこそ伝えられる言葉があると思いながら、「未来宣言」を作成する過程を見守りました。宣言のすべての言葉から、先輩の思いをしっかり受け取り、立命館小学校がよりよい学校になるよう願う気持ちと、リーダーとしての成長が感じられます。この「未来宣言」をこれからの後輩へ大切に受け継いでいってほしいと思います。

未来宣言

未来宣言のイメージ

今年、立命館小学校は開校20周年を迎えました。2006年に開校して以来、たくさんの児童が学び、思い出を作って卒業しました。しかし、2020年に流行したコロナウイルスの影響により、当たり前だったことができない状況が続きました。(中略)どんなことがあっても、私たちが未来に向かって、夢と希望をもって進んでいくために、6年間過ごすこの学校を、平和で明るい、命輝く学校にしていきましょう。児童全員が優しい心で、仲間との友情や絆を深め合い、笑顔と幸せがあふれる学校であり続けてほしいと思います。また、立命館小学校では、いろいろなことに挑戦する機会があります。私たちは、どんなことでも挑戦を楽しみ、そこから得たたくさんの学びを、自ら世界を変えていくために必要な力にしていきます。(中略)

2025年度立命館小学校児童一同

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※本内容は子育てフリーマガジン「クルールきょうと版2025年11・12月号」に掲載された内容です。取材内容は掲載当時のものです。