日常にひそむ「なぜ?」に気づき、一歩進んだ日常を創造する課題「発見力」。
その原点となるのは「共感」と「行動」でした。

 

vol.5 これから必要とされるのは課題「発見力」

 

 

課題「解決力」の前に
課題「発見力」を

 

これからは課題「解決力」をもった人材が求められる時代といわれます。課題「解決力」といっても、受験勉強のように与えられた課題の正解を暗記する力ではありません。むしろ、未知の課題を「発見」して「解決」へと導く力といった方がふさわしいでしょう。

 

今の子どもたちが社会人として活躍する未来の社会では、誰かの指示に従って答えを出すだけの課題「解決力」なら、AI(人工知能)の方が勝ります。そんな未来社会を生き抜くには人間だけが持つ力、すなわち課題「発見力」に磨きをかけることが重要です。

 

 

「共感力」を鍛え
課題「発見力」を磨く

 

では、どのようにすれば、課題の「発見力」を培うことができるのでしょうか。

まず、困っている人の存在に気づく、アンテナ力。自分の価値観だけで判断していては見えないものがあることに気づき、自分と異なる立場の人びとに寄り添い「共感」する力を発揮します。

 

そして、キャッチしたSOSの声を可視化する、プレゼン力。SOSに気づいていない人にも共感の輪を広げていく、巻き込み力。多様な価値観を持った人びとに働きかけて「行動」する力は、これからのダイバーシティ社会では必須の力です。

 

 

「共感」を「行動」にする力こそ
未来を生きる力

 

とはいえ、異なる立場の人に共感することはできても、実際に行動に移すのは勇気がいることです。例えば、電車で席を譲りたいと思ったけれど声を掛ける勇気がなかった、という経験はありませんか。

 

愛や思いやりといった「共感力」は優しさとして語られやすく、人生の厳しさとは相容れないと思われがちです。しかし、「共感」を「行動」に移す力は、一歩を踏み出す小さな勇気に始まり、相手のリアクションに応じて必要なプロセスを組み立てる計画力など、さまざまな力の複合体。

 

同じ目的をもった仲間と知恵を出し合い、課題を解決する方法を練り上げていく力こそ、生きる力そのものに他なりません。

 

 

様々な経験が
共感力と行動力を培う

 

そして、課題解決力につながる「共感力」と「行動力」を育むチャンスは、日常の暮らしの中にあふれています。

 

子どもと一緒に家族や友だち、先生を思いやり、できることを考えて実行する。絵本や映画を楽しむ中で登場人物の気持ちを想像し、ごっこ遊びをする。さまざまなメディアが発達した今は、地球の裏側で暮らす人や千年前を生きた人とさえ共感しあえます。

 

みずみずしい感性が芽吹く幼少期にこうした経験を重ねることは、予測不能な未来をしなやかに生き抜く力に直結するはずです。

 

 

 

山や海で自然の力と向き合い
「共感」と「行動」を錬成

 

ノートルダム学院小学校では校外学習にも力を入れています。豊かな自然の中で稲作や遠泳に取り組み、共感力と行動力を培います。

 

 

▮稲作から広がる
「共感」と「行動」

 

滋賀県大津市にあるノートルダム学院小学校の校外学習施設「山の家」では、毎年4年生の児童が稲作に取り組んでいます。

 

農家の方の指導をうけながら田植えや稲刈り、脱穀を昔ながらの手作業で体験するのですが、児童が山の家を訪れるのは月に1回ほど。稲穂が実るまで自分たちが学校で安心して勉強できるのは、田んぼを守ってくださっている農家の方のおかげと気づいた児童はその誠意に「共感」し、田んぼが鳥に荒らされると育たないという「課題」を発見し、自分たちにできることとしてかかしの設置を思いつき、実際にかかしを手作りして田んぼに立てるという「行動」を起こすようになりました。

 

さらに、せっかくのお米を多くの人に味わっていただき、「共感」の輪を広げたいと願った児童は、学院祭バザーでの販売を企画。学校名にちなんで「ND米」と命名し、集客力を高めるための展示方法も工夫を重ね、得た収益金は寄付するというプロジェクトも「行動」に移しています。

 

▲1年生が手づくりしたかかし

 

 

▮「共感」が「行動」を
底上げする遠泳合宿

 

仲間同士で「共感」しあう力が、一人ひとりの「行動」する力を高めることもあります。

 

5年生の遠泳合宿では、3年生のときから練習を重ねて苦楽をともにした仲間と海に入り、全員が見事に泳ぎ切ります。途中で苦しくなっても、苦しいのは自分だけではないと「共感」できるので、一人ひとりが自分の限界を超えて泳ぐという「行動」を完遂する底力が培われるのです。

 

この達成感が自信となり、さまざまな課題を解決する場面で「共感」と「行動」する力を発揮しています。

 

▲隊列を組み、海の中を進みます

 

 

 

ノートルダム学院小学校イベント情報

 

イベント情報の詳細はホームページをご覧ください。

 

※クルール11・12月号に掲載しておりました「チャレンジノートルダム&学校説明会」は定員に達したため、受付を締め切りました。

 

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ノートルダム学院小学校

京都市左京区下鴨南野々神町1-2
京都市営地下鉄烏丸線「松ヶ崎」駅徒歩6分
TEL 075-701-7171
https://www.notredame-e.ed.jp

 

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